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業界の概要 > 生めん類業界の動向(21年版 16年版
○ 生めん類業界の動向(平成21年版)
原田 勝雄
1.はじめに
全国製麺協同組合連合会は、昭和35年9月に当会の前身である任意組織の全国製麺組合連合会が設立され、その後、昭和58年4月に法人組織に改組し、現在の全国製麺協同組合連合会(以下「全麺連」という。)が設立された。
昨年は法人化45周年を迎え、本年は組織設立50年を迎えた。
生めん類業界の団体としては2年に亘り節目の年になるこの機会に、当会を巡る主な諸事情での取組みを記することとした。

2.生めん類業界の現状
 (1) 生めん類の種類
生めん類の種類を大別すると次のものがある。
1) うどん ― 生・茹・蒸・半生・冷凍
本場甲州ほうとう、名産さぬきうどん、名産名古屋きしめん、など
2) 日本そば ― 生・茹・蒸・半生・冷凍
特産信州そば、本場出雲そば、など
3) 中華めん ― 生・茹・蒸(焼そば)・油揚・半生・冷凍
本場札幌ラーメン、名産長崎チャンポン、名産長崎炒麺、本場沖縄そば、など
4) 皮 類 ― 生(餃子、焼売、雲呑、春巻)
 (2) 生産動向
1) 小麦粉使用トン数
次に生産量の推移は、小麦粉使用トン数でみると平成7年(CY)の729,338トンをピークとして、以降増加せず、平成10年には691,951トンと70万トンを割込み、以後微減し、平成18年では602,809トンとなっている。〔図表1
図表1 生めん類の国内生産推移                (単位:原料小麦粉使用千トン)
  生めん類 うどん 中華めん 皮 類 そ ば
平成 7年 729,338 255,779 374,209 24,837 74,513
8年 724,846 254,017 374,000 24,958 71,870
9年 706,374 245,992 364,113 24,619 71,650
10年 691,951 241,111 3569253 23,384 70,531
11年 686,298 244,025 351,825 22,929 67,519
12年 686,719 250,066 345,601 23,333 67,719
13年 696,464 253,539 351,732 22,468 68,726
14年 684,968 249,680 344,845 22,411 68,023
15年 675,212 254,137 336,950 20,266 63,860
16年 660,619 246,095 331,754 20,162 62,609
17年 631,161 239,613 315,990 18,321 57,236
18年 602,809 233,576 299,662 15,800 53,771
<資料:農林水産省「生産動態調査」>

2)品目別の生産数量
図表2 生産量に占める構成比(平成18年生産量)
(単位:原料小麦粉使用トン)
品  目 生 産 量 構成比 (%)
う ど ん   計 233,576 38.8

< 生  31,536 >
< 茹 202,040 >

< 5.3 >
< 33.5 >
中華めん  計 315,462  52.3 

< 生 155,084 >
< 茹  50,786 >
< 蒸  93,792 >
< 皮類 15,800 >

< 25.7 >
< 8.4 >
< 15.6 >
< 2.6 >
日本そば  計 53,771  8.9 

< 生  18,055 >
< 茹  35,716 >

< 3.0 >
< 5.9 >
合   計 602,809  100.0 
<資料:農林水産省「生産動態調査>

品目別生産量は平成18年の原料小麦粉使用量で中華めん、うどん、そばの順に生産量が多い。
生産量に占める構成比は、茹うどん202,040トン(33.5%)の比率が最も高く、次いで生中華めん155,084トン(25.7%)の順となっている。〔図表2
個別品目別の生産量をみると、生・茹うどん、生・蒸中華めん、茹日本そばは、前年比微増ながら増加しているが、茹中華めん、皮類と生日本そばが減少傾向にある。全体の傾向としては伸び悩みである。
この主な要因としては、ファーストフーズの値下げの影響やコンビニの弁当類等との競合などが挙げられる。
なお、生めん類の生産量には“冷凍めん”も含まれているので、特に茹うどんの増加が顕著であるといえる。特に“冷凍めん”が昭和60年以降大幅に伸長している。その主な要因は業務用を中心においしさ・簡便性・安全性の製品特性であり、今後も伸びが予想される。

3)都道府県別の生産数量 
平成18年度の都道府県別の生産数量(生めん類(冷凍めん類を含む):うどん、中華めん、日本そばの合計602,809トン)でみると、全国第1位は埼玉県で72,221トン(12.0%)、以下、2位香川県で60,059トン(10.0%)、3位北海道36,753トン(6.1%)、4位東京都32,913トン(5.5%)、5位神奈川県32,332トン(5.4%)となっている。〔図表3
なお、都道府県の生産数量は、以前は所謂めん処の都道府県が上位を占めていたが、近年では冷凍食品業界(冷凍めん)及び外食業界(うどん、そば、ラーメンのチェーン店)、異業種の業務店(立ち食い店)が自社工場で製造し、また、大手製めん企業の委託加工(協力工場)により、その図式が崩れてきている。
図表3 都道府県別の生産数量 (平成18年生産量) (単位:原料小麦粉使用トン)
 う ど ん  

生         計 31,536

1 香 川

8,539 (10.6)

2 新 潟

4,173 ( 8.3)

3 群 馬

2,101 ( 6.6)

4 埼 玉

2,083 ( 6.6)

5 愛 知

1,967 ( 6.5)

 

47 鳥 取

   3 ( 4.1)

ゆで        計 202,040

1 香 川

40,087 (16.8)

2 埼 玉

17,426 ( 8.3)

3 群 馬

11,611 ( 5.8)

4 東 京

10,225 ( 5.3)

5 大 阪

8,942 ( 4.9)

 

47 鳥 取

162 ( 0.3)

 中華めん  

生         計 155,084

1 埼 玉

19,692 (11.9)

2 北海道

19,505 (11.3)

3 東 京

15,002 (10.7)

4 神奈川

12,839 ( 6.8)

5 福 島

11,899 ( 6.5)

 

47 鳥 取

  218 ( 0.4)

ゆで        計 50,786

1 大 阪

4,948 (11.7)

2 沖 縄

4,780 ( 8.3)

3 福 岡

4,597 ( 7.4)

4 埼 玉

3,456 ( 7.2)

5 兵 庫

3,228 ( 6.5)

 

47 千 葉

  23( 0.2)

蒸し        計 93,792

1 埼 玉

24,359 (19.4)

2 神奈川

11,165 (15.6)

3 愛 知

5,426 (10.7)

4 北海道 4,679 ( 4.8)

5 群 馬

3,862 ( 3.3)

 

47 鳥 取

   0 ( 0.0)

皮類        計 15,800

1 香 川

2,397 (22.0)

2 東 京

2,149 (10.4)

3 福 岡

1,655 ( 8.9)

4 愛 知

1,107 ( 6.2)

5 大 阪

1,059 ( 6.2)

 

47 佐賀・鹿児島

   0 ( 0.0)

 日本そば  

生         計 18,055

1 埼 玉

1,682 (10.8)

2 長 野

1,675 ( 8.5)

3 香 川

1,547 ( 8.3)

4 北海道

1,400 ( 7.8)

5 山 形

1,016 ( 4.6)

 

47 沖 縄

   9 ( 1.3)

ゆで         計 35,716

1 埼 玉

3,286 ( 7.7)

2 静 岡

3,233 ( 7.6)

3 東 京

2,586 ( 6.9)

4 香 川

2,522 ( 6.4)

5 兵 庫

1,931 ( 5.9)

 

47 鳥 取

  52 ( 1.7)

  <資料:農林水産省「生産動態調査」>

 (3) 年間支出金額及び消費量の推移
 家計費中に占める茹うどん・そばの一世帯当たりの年間支出額の推移では、生産数量と同様に支出額も同様な数字を示している。食料費に対する茹うどん・そばの比率は0.4%、穀類費に対する茹うどん・そばの比率は、4.0%前後を示している。
また、消費量では、1世帯当たりは11kg前後、1人当たりは平成7年から13年までは3.3kg、平成15年には3.7kgと微増したが翌年から3.5kgと微減に転じている。〔図表4
図表4 一世帯当たりの年間支出金額および消費量の推移
一世帯当たりの年間支出金額 消費量
食料費
(円)
左のうち
穀類費(円)
左のうち
茹うどん・そば(円)
1世帯当たり
(kg)
1人当たり
(kg)
平成 7年

1,024,518

105,572 4,111

11.3

3.3

8年

1,016,331

102,244 3,996

11.1

3.3

9年

1,003,373

100,492 4,071

11.1

3.3

10年

1,027,293

98,103 4,177

11.1

3.3

11年

1,005,973

96,084 4,017

11.0

3.3

12年

973,680

91,367 3,801

10.9

3.3

13年

945,571

87,454 3,661

10.9

3.3

14年

939,218

85,902

3,924

11.3

3.5

15年

919,666

86,779 3,978

11.8

3.7

16年

914,712

86,998 3,824

11.1

3.5

17年

902,003

80,572 3,591

11.2

3.5

18年

891,439

78,462 3,501

10.8

3.4

<資料:総務省「家計調査年報」>
 (4) 市場規模
 生めん類の業界の市場規模は、諸説があるものの、メーカー出荷額で4,000〜4,500億円(茄・生めん3,450億円、冷凍めん1,050億円)と推定している。
 (5) 業種概要
1) 企業数及び工場数
経営形態別企業数では、平成16年の数字では生めん類の企業は3,015社、工場数で3,029工場となっている。
生めん類企業は中小工場の減少にあり、依然比率が非常に高く、また、家族従業員数が占める割合は、小規模になるほど高く、家族主体型の企業体質を持っている。
なお、中小工場の減少の主な要因としては、生めん類工場の多くは戦後の創業であるが、この創業者が一定の年齢に達し後継者などの影響が考えられ転廃業するという形である。
また、市場が伸び悩むなかでの競争激化による淘汰が進行している一方で、既存大手企業の新増設や異業種企業の新規参入による生産・販売シェアの上昇が挙げられる。
2) 製造企業(工場)の特性
生めん類製造工場は、多種多様な製品を生産しており、生産品目はその年その月その週によって切り換え、或いは消費者の嗜好動向への対応など、これらに殆ど対応できるのが生めん類工場の特徴である。その生産構造は地域に密着した地域食品(民族食品)、伝統的食品として、また、特に日販品としての商品特性から地域社会において、中小製めん企業はこれまでに非常に大きな役割を果たしてきた。
製めん企業の営業志向は一般的には、市販用は大手製めん企業又は地域の準大手製めん企業、業務用は中小製めん企業が受持ち分けあっていたものが、品質・衛生管理などの問題や新製品開発能力及び供給力のある大手製めん企業の比率がより高くなってきている。
特に小売業での生めん類売場は、関東を中心に大手製めん企業ブランドの進出が激しく、地域の準大手製めん企業のブランドが売場から段々縮小、或いは消えつつある。これは大手小売業の場合に多く見られていた現象であるが、ローカル量販店にまで拡大されている。
3.全麺連の基本方針
(1) 基本方針
1) 組織の強化を図る。
本部、ブロック及び都道府県会員(組合)は的確かつ迅速に情報提供を共有し、関係の強化を一層図るとともに、支援施策や組織対策の充実強化を図る。
全国大会の実施。
2) 変革する時代に対応し得る経営の安定と経営基盤の強化を図る。
後継者の育成強化、収益の改善及び向上、経営の体質改善を図るとともに、経営者の意識改革、企業自身の自助努力の推進を図る。
労働条件制度の整備、下請取引の適正化、公正な競争環境の整備を図る。
3) 品質・衛生管理の基盤強化を図る。
食品衛生思想の普及啓発、品質・衛生水準の向上を一層推進するとともに、めん類の高品質化を推進する。
4) めん類の普及を図る。
“めんの日”、“彼岸にそば”、“年明けうどん”の普及啓発、地域性と特色あるめん類の普及啓発を積極的に図る。
学校給食めんの拡充を図る。
5) 関係法令の遵守の徹底を図る。
公正競争規約、食品表示をはじめ、関係する関係法令を遵守するとともにその周知徹底を図る。
6) 小麦の制度変革への対応を図る。
制度改革の内容理解、市場環境の変化への対応を図るとともに、経営改善のより一層の迅速化を推進する。
4.基本方針に基づく諸事情の取組み
 (1) 組織の強化を図る
1) 全国大会の実施
第1回の全国製麺業者大会は昭和35年9月に全国製麺組合連合会が設立総会と併せて開催され、以後、年1回全国各地輪番で開催され本年で50回を迎える。記念大会を除く40回までは担当主催組合が実行委員会を設置し運営をしていたが、本大会は業界の将来的な発展の基礎となるものと位置付け、平成12年の第41回の大会から全麺連が大方の運営を行っている。
なお、第46回から組合事業活動の成果に係る表彰制度を設け、選考した組合の事業活動をめん食・粉食振興と組織強化の部門別に受賞し、最優秀賞を受賞した組合には成果発表を行い、表彰している。
2) 組織強化のための組織の設立
@ 表示(規約)事業
「全国ゆでめん類公正取引協議会」 昭和44年5月設立
昭和52年2月設立の「全国生めん類公正取引協議会」に名称変更
A 青年部事業
「全麺連青年部連合会」 昭和49年2月設立
B 冷凍めん事業
「有限責任中間法人日本冷凍めん協会」 平成15年3月設立
昭和58年11月設立の「冷凍めん協議会」を法人化
C 品質・衛生事業関係
「全国めん類衛生技術センター」 昭和60年7月設立
D 学校給食めん事業
「全国学校給食めん協議会」 昭和61年6月設立
昭和38年4月創設の学校給食麺部会を発展的に解消
E 研修事業(3ヶ年事業)
「全麺連研修センター」 平成14年4月創設
現在センターは解消、事業は継続
3) 中小企業等協同組合法の一部改正
平成19年4月より中小企業等協同組合法の一部改正に伴い、定款との整合性を図るため、定款の一部改正を行った。また、賛助会員制度を追加した。
 (2) 経営の安定と経営基盤の強化
1) 青年部の設立
青年部は企業及び業界を背負って立つという重要な役割があるが、各県組合では既に世代交代を迎え、二代目、三代目には企業活動とは直接的に結びつきにくい組合活動への希薄化或いは組合青年部活動に参加することは企業活動にとって障害を生じる。夫々自社のことで手一杯であるのが現状である。
しかし、業界組織の事業の推進役として業界での役割と責任を改めて再認識させているところである。
2) 製麺技能検定事業
製めんの理論と実技の修得を主な目的として、厚生労働省職業訓練法に基づく技能検定の導入を図るため、昭和59年8月に単一等級:機械生めん製造作業が認可された。
昭和62年から平成9年まで毎年全国製麺技能グランプリを開催し、技能検定実施状況では実技(うどん)と学科の試験は昭和59年度(後期)から平成11年までは毎年度実施し、その間、平成1年に実施時期を前期に移行している。その後、平成12年度からは隔年実施となり、平成16年度からは実施を再度後期に移行するとともに実技試験に新たに中華めんを追加した。
平成11年度に「製麺技能ハンドブック」を作成し、平成15年度に一部を改定した。
現在、受検合格者は実技で約3,000人余、学科で2,800人余となり、合格率では実技で約80%、学科で約65%となっている。
3) 労働条件制度整備支援事業
必要な人材や後継者の確保を図るため立ち遅れのみられる労働条件の改善整備や労務管理の適正化が求められるとの視点に立って、平成11年度に労働条件制度整備支援事業の推進団体としての指定を受け、平成12年度から14年度までの3年間に亘り、労働条件実態調査の実施、毎年度ごとにリーフレット、マニュアル、報告書の作成などに取り組んだ。その結果、3年前と比べると事業規模により格差はあるものの、全体的に労働条件整備の必要に関する意識の向上や労働条件の改善に対する取組みが推進された。
平成12年9月 “労働条件制度整備講習会テキスト”
平成13年2月 “全麺連労働条件実態調査結果報告書”
平成13年9月 “全麺連労働条件制度整備推進マニュアル”
平成15年2月 “全麺連労働条件実態調査結果報告書”
平成15年3月 “事業総括報告書”
然し乍ら、労働基準関係法令に照らしてみれば、なお最低基準である労働条件が確保されたとは言い難い実態として存在していることも事実であることから、各都道府県会員(組合)等においては本事業の趣旨を引き継ぎ、研修会等を通じて法定労働条件の確保及び更なる労働条件の改善を図るため取り組んでいる。
4) 福利厚生事業
組合員事業所の福利厚生制度等の各種制度を確立し運営している。
@ 「共済会」制度
昭和38年5月に組合員事業所の代表者及び配偶者に対する弔慰金、組合員事業所に対する災害見舞金(火災・自然災害)の制度を確立した。
A 「生命共済」制度
昭和51年9月に組合員事業所の福利厚生制度の円滑な運営や加入者の遺族の生活保障等を目的として団体定期保険として確立した。
B 「交通事故障害補償」制度
「生命共済」制度は団体定期保険と交通事故傷害保険のセット商品であったが、平成19年9月より商品を分離し、交通事故と建物・乗り物の火災による死亡・怪我を保障する商品として生まれ変わった制度である。
C 「PL総合保険」制度
平成6年6月PL法が施行されるに伴い、平成6年2月にPL対策の一環として賠償資力を確保するため、生産物賠償責任の保障に加え休業利益の補障をセットしたPL(生産物賠償責任)共済制度を確立した。
D 「休業補償」制度
平成9年3月に病気、交通事故及びその他の事故による入院及び入院に準じる自宅療養等を補障する制度を確立した。
 (3) 品質・衛生管理の基盤強化
 不適切な品質・衛生管理が相次ぎ、食品への信頼を失い、安全と安心への要求及び企業の社会的責任の重要性はさらに高まっている。食品の安全性の確保、関係法令の遵守や倫理の保持は、企業の大・中・小の規模別を問わず、また、規則等で規制されるまでもなく、食品製造業者として当然課せられたものである。おいしく安全なめん類を安定的に供給する社会的責務があり、原材料及び副原材料に始まり製造から販売に至るまでの各過程における衛生的な取扱い、施設設備の管理まで、その品質管理には万全を期すとともに消費者対応についても見直す必要がある。安全性の確保に対するこれまでの考え方や対策がうまく機能しなくなってきている。これからは時代に即応した安全性への考え方、具体的な対応が求められている。
生めん類は主食の一端をになっているため、衛生管理の重要性を再認識し製造工場での食品衛生思想の普及徹底を図り、製品の衛生及び品質の水準をより向上させるため種々施策を講じてきた。主な取組みは次のとおりである。
然し乍ら、業界では中小企業が多く、種々の施策での周知徹底、企業での実行面での向上には未だ十分とは云えない。今後全麺連では衛生管理の重要性と問題意識を共通認識した上で、新しい環境のなかで如何実行に移していくか、取り組んでいくかが課題と云える。
1) 冷水製麺方式や低温流通への転換
昭和55年1月食品添加物として使用されていた過酸化水素が発ガン性があるとして使用を規制したことから、業界では使用を禁止するとともに、品質保持が可能な冷水製麺方式や低温流通に転換すべく全国各地で衛生管理講習及び技術研修を実施した。
2) “生めん類の衛生規範”の策定
従来の最終食品の検査を中心とした衛生管理システムではより高い衛生的品質が得られないことから、食品製造における衛生管理方式としてGMP(Good Manufacturing Practice)の考え方を基本にして、原材料の受入れから製造工程を経て最終製品の配送、販売に至るまでの各工程における衛生的取扱い、施設・設備の管理の要件等に関する極め細かな指針として平成3年4月策定したものである。
3) “HACCPマニュアル” 3部編作成
衛生上の危害発生を防止することを目的として、より安全で安心な生めん類を製造し消費者に提供するため、平成12年度に農林水産省の補助事業である「食品安全確保システム推進事業」の一環として、HACCP手法について新しい安全衛生管理の方法を分かり易くまとめて編集し、全般的な衛生及び品質管理の強化を図るため、“生めん類のHACCPマニュアル”を3部編として平成13年3月に作成した。
@ 生めん類・調理めんのHACCPプラン編
A SSOP(衛生標準作業手順)文書例 記録帳票例編
B 総論編
4) “生めん類における事故防止と対応マニュアル”作成
食中毒事件や異物混入事件を防ぐ品質管理レベルの向上を図るため、平成12年度に農林水産省の補助事業である「食品事故再発防止対策推進事業」の一環として、食品事故防止の考え方の整理を行い、分かり易くまとめて編集しマニュアルとして平成13年3月に作成した。
5) ”施設・衛生管理チェックリスト”の作成
@ 「小規模」と「学校給食めん」の工場向けの施設・衛生管理チェックリストを平成15年4月に作成した。
A 「異物混入防止のための管理基準」は「小規模」と「学校給食めん」の工場向けのチェックリスト、厚生労働省の食品衛生監視票を参考にし製造施設全般、作業上の衛生管理等、製造設備における異物混入防止のための施設・衛生管理チェックリストを平成20年4月に作成した。
6) 「食品の製造過程の管理高度化基準に関する臨時措置法(HACCP手法支援法)」
@ 指定認定機関に指定、高度化基準の認可
平成17年11月に全麺連が“生めん類”の種類で指定認定機関に指定され、同時に生めん類の高度化基準(生めん類の安全管理及び品質管理の確実性及び信頼性を向上させるため総合的に講じられた製造過程の管理の高度化に関する基準)が認可された。
A 高度化計画申請に当たっての手引書の作成
“生めん類の高度化計画申請に当っての手引書”を平成18年2月に作成した。
7) その他HACCPに関する事業
食品衛生の問題や最新情報を提供することを通じて消費者の信頼を得るための活動の仕方、危機管理体制の整備など食品衛生士に求められる知識や技術の修得を図るため、HACCP連絡協議会主催の専門講師養成、専門講師フォローアップ、実務管理者養成の研修会に受講者を募っている。
 (4) めん類の普及
 生めん類の消費拡大策の一環として全国統一しためん食振興のため、全国的な幅広い普及活動を行っている。
1) めん食習慣の定着化
@ “めんの日”
平成11年11月11日に同年月日と、毎月11日を“めんの日”として制定した。
A “彼岸にそば”
年2回春と秋のお彼岸にそばを食する。
B “年明けうどん”を全国展開へ(1月元旦から15日まで)
今後うどんの更なる普及と新しいめん食習慣の創造を目的として、香川の讃岐うどんのみならず全国のうどんの活性化に貢献したい考え、年末には年越そばを食べ、お正月にはその年の幸せを祈りながらうどんを食べる。と云う全国的な行事として定着させるべく積極的に取り組んでいる。
平成21年度の取組み案として“年明けうどん”の意味を製麺業者をはじめお得意先である業務用店(外食産業のめん食堂、直売店)、小売業店(量販店、CVS店)に幅広く普及・浸透させるべく、ア.本年実施した事例紹介、イ.チラシ・ポスター・のぼり等の販促物の作成、ウ.メニューの提案、エ.毎年作成のめんカレンダーでの紹介、オ.販売におけるアイディア等の商品提案を掲げている。
C その他、年間を通じた催事・祭事とめん類との係りでの提案
ア.節分そば(2月3日前後)、イ.土用の丑(7月、“う”の付く食べ物として鰻、梅、……、うどん)、ウ.ラーメン(年越ラーメン、等)
2) ホームページに掲載
ホームページを通じてうどん、そば、ラーメンのメニューを掲載している。
3) めん料理カレンダーの作成
業界のオリジナルカレンダーとして、めん料理のカレンダーを毎年5万部作成し、組合員をはじめ消費者、量販店、新聞・雑誌社、テレビ・ラジオ局、行政機関に配布している。
4) めん類の真価を高める
地域食、民族食、日本の伝統食品であるめん類の真価を高めるために、組合で取り組んでいる事業に対して相談、助言及び指導等の支援を行っている。
@ 地域団体商標制度(地域ブランド)
特許庁では平成18年4月に施行した「商標法の一部改正する法律」により地域団体商標制度を導入した。一定の範囲の周知度を得た段階で地域団体商標として権利取得するもので、現在生めん類では3組合が権利取得している。
ア.和歌山県製麺協同組合、商標“和歌山ラーメン”(和歌山県産のスープ付き中華そばのめん)
イ.沖縄生麺協同組合、商標“沖縄そば”(小麦粉を使用した沖縄県産の中華そばのめん)
ウ.三重県製麺協同組合、商標“伊勢うどん”(三重県産のうどんのめん)
A 名産・特産・名物・本場等の表示
当該地において製造し当該地の伝統的な特徴を備えているものであって、現在までに10品目が公正取引委員会に承認されている。
昭和52年1月 ― さぬきうどん(香川県)、信州そば(長野県)、札幌ラーメン(北海道)
昭和53年4月 ― 長崎炒麺、長崎チャンポン(長崎県)、出雲そば(島根県)
昭和53年10月 ― 沖縄そば(沖縄県)
昭和59年9月 ― 甲州ほうとう(山梨県)、名古屋きしめん(愛知県)
平成12年3月― 盛岡冷めん(岩手県)
5) 学校給食めんの導入
昭和38年に学校給食制度上にめん類が正式に導入されたことに伴い、全麺連の専門部会として「学校給食麺部会」を創設した。その後、全国統一的な活動を行うため昭和61年当部会を発展的に解消し「全国学校給食めん協議会」を設立し現在に至っている。
現在、学校給食めんは児童生徒の食生活の一端を担うものとしての重責を果たすとともに、次の3点を柱に基本的な考え(取組み)をしているところである。
@ バランスのよい学校給食の推進
昭和38年から学校給食にめんが導入されて以来、焼そば、カレーうどん、ラーメン、ソフトめんなど、児童生徒が好むメニューとして常に上位に挙げられている。学校給食におけるめん類は児童生徒の食嗜好と食行動の変化は無視できないものとなっている現在の学校給食めんの回数は多いところで週1回、全国平均で月2回位である。昨今、市町村によっては米飯給食の完全実施や週4回の動きがあり、製めん業者にとっては大変危惧している。めん類は全国各地に根づいた地域食として、また、小麦粉の文化として日本の食生活に欠かすことのできないものとなっているため、今後ともバランスのよい学校給食事業として小麦粉めんの提供をしていく考えでいる。
A 国産小麦使用のめん類の取組み
ここ数年来、国産小麦使用のめん類の供給をし好評を得ている。また、地産地消という観点から郷土の食材を使用することにより大きな教育的意義を持っているものと考える。一方、国産小麦使用のめん類の普及は自給率向上にも貢献するものと考えている。
なお、国産小麦の安定的な品質、収穫量の確保及び価格の問題があり、この点について行政の対応をお願いする。
B 新製品としての米粉を使用しためん類の取組み
全麺連で米粉めんに関する事業は昭和52年から60年まで農林水産省の協力を得て研究開発に取り組んできた。しかし、当時は残念なことに消費者ニーズがないことと米粉の価格も大きな要因の一つになっていため製めん業者の関心も薄れていた。
近年学校給食に米飯及び新たに米粉利用の製品を求められ動きがあるが、米粉めんの導入に当たっては、小麦粉めんの代用とは考えていない。あくまで従来どおり小麦粉めんの供給とし新たに米粉めんを加える考えでいる。
 (5) 関係法令の遵守とその徹底
1) 表示(規約)の遵守
@ 公正競争規約
生めん類の表示は、景品表示法の規定により事業者又は事業者団体が公正取引委員会の認定を受け、表示に関する事項について自主的に設定した公正競争規約(以下「規約」という。)及び施行規則(以下「規則」という。)を設定している。運営する規約等は昭和43年9月に“ゆでめん類の表示に関する規約”、昭和44年5月に“規則”を設定した。その後、規約は昭和48年、規則を昭和52年1月に“ゆでめん類”から“生めん類”に変更した。
昭和43年9月に“生めん類の表示及び解説”を策定し、規約及び規則の変更は関係法令の改正に伴い規約との整合性を図るためその都度行っている。規約は8回、規則は11回の変更を行っている。
規約及び規則が的確にかつ効果的に行われ、業界の公正な競争の確保と、消費者が適正に商品・サービスを選択できるよう指導に当たっている。
A 研修会の実施
当協議会では規約をはじめ食品表示に関係する法令の遵守及び倫理の保持について組合員事業所の取組みを強化するため規約及び規則に則る適正な指導とその徹底を図るため、会員及び準会員(関連機器資材企業)に対して全国9ブロック及び組合単位で研修会を実施し、併せて機関紙「全めん通信」、ホームページ掲載、資料配布を通じてその徹底を図っている。
2) 勉強会の実施、情報の提供
関係法令・制度の改正に伴い、行政担当官を招き勉強会を実施するとともに、情報の正確性の提供及び共有化の一環として、改正点、その他時局テーマでの資料と併せて全麺連の対応(取組み)の配布、機関紙「全めん通信」、ホームページの掲載を通じてその徹底を図っている。
3) ガイドライン等の策定
@ 容器包装の識別表示
平成13年3月に「容器包装の“識別表示”生めん類のガイドライン」を策定した。
A 残留農薬等のポジティブリスト制度ガイドライン
平成18年5月に「残留農薬等のポジティブリスト制度の業界団体としての基本的考え」を策定した。
B 期限表示(消費期限・賞味期限)設定ガイドライン
平成6年度に農林水産省の補助事業である食品品質保持基礎データ整備事業の一環として、期限設定の考え及び標準的方法等を平成7年「生めん類の期限日表示設定指針」を策定、平成15年度にその基礎データを基に期限表示ガイドラインとして策定した。その後、平成19年4月には内容を一部変更し「生めん類の期限表示(消費期限・賞味期限)設定ガイドライン」を策定した。
 (6) 小麦の制度改革への対応
 麦の政府売渡価格改定に関する要請は全国小麦粉実需者団体協議会及び製粉関係団体と連携し、その対応をしているが、農林水産省では輸入麦の政府売渡ルール検討会を発足し輸入麦の政府売渡価格の改定ルール等について、国際相場の動向をより迅速に反映できるようにする方向で見直しを行う会合を開いている。
平成20年12月25日の第5回検討会のヒアリングにおいて全麺連が中小製めんを代表し意見を述べた。その内容(要旨)は次の通りである。
@ 仕入れ現状
主原料以外の副原材料、包装資材の価格は依然として高止まりである。
A 販売の現状
大手製めん企業主導の売場と価格政策が異なっている。製品価格は24年ぶりに値上げ改定できたが業界全体では7割弱に留まり全く値上げできていないものは3割強もある。値上げ幅は1食1円乃至5円程度と限定的になっている。生めん類は長年物価の優等生と云われ、平成19年からの仕入れ価格の上昇分が価格転嫁できても利益増にも繋がっていない。また、値上げできた事業所では生産数量が2割強減少という結果になっている。
特に、今秋より景気の悪化による消費の冷え込みなどにより製品の値下げ傾向にあり厳しい状況にある。
B 使用している小麦の銘柄
現時点では使用している主な原料小麦の銘柄と小麦粉の種類での代替はありえない。また、国内産小麦の価格が高騰すれば使用するメリットが少ない。配合比率を変えて対応することも考えられるが製めん特性と品質の一定水準を保持するためには極めて難しい。
C 輸入麦の政府売渡ルール
ア.改定回数
新しいルールに対する理解が定着しつつあるところであるため、現行の年2回の改定が適当である。できれば年2回以下とされたい。改定回数が増えると前回の製品の価格改定の交渉中に時期の価格交渉を行うことになる。また、製品価格の値上げ或いは値下げなど円滑な価格転嫁の対応が厳しい。また、商品の量目や新製品への変更、原料小麦粉の見直し、流通システムの組み換え、等々の諸経費の負担増に繋がる。
イ.価格改定の基礎となる期間の短縮
現行の8ケ月平均をベースとした改定による相場連動性でよい。国際相場の上げ下げを、どの程度迅速に反映するかが適当化昨今のような異常とも云える穀物相場においてどの程度迅速なのか、適当なのかと云われても“こうです”とは言い切れない。
ウ.SBS方式の主要銘柄での導入
一部の特殊な銘柄を除いては現行通り農林水産省が全量買い付ける通常の輸入方式が主要食糧である小麦の安定供給を図るという観点から重要である。例えば、ASWで導入された場合には価格面で優位性のある小麦粉が大手企業に確保され、中小企業との原材料原価の面での格差が拡がることが懸念される。SBS方式に関する知識や認識がお得意先や消費者に十分浸透しているとは云えない状況下では、新たな価格形成のあり方について業界としての論議がまず必要ではないかと考える。
エ.その他の意見
小麦の国際相場の低下が直ちに二次加工製品価格の引下げには繋がらない。小売業、消費者及び報道関係者に制度上や流通実態から云って理解を求める情報提供を農林水産省に対して求める。
また、変動幅が小幅なプラス、マイナスでの価格改定は行わないことを求める。

5.業界をめぐる近況の諸問題
 (1) 近況の問題
1) 生産総需要
生産総需要は、平成8年からマイナスを続けている。
2) 企業間格差の拡大
中小製めん企業と大手製めん企業との企業間格差が拡がっており、大手製めん企業の委託加工(協力工場)の急増によって、従来の中小製めん企業と大手製めん企業という二極分化の業界構造では認識しにくい、系列・下請け・委託加工・提携などという第三の様相が目立ってきている。
3) 外食業界の展開
近年外食業界(うどん、そば、ラーメンのチェーン店)、異業種の業務店(立ち食い店)の参入と自社工場でのめん類製造等、業務店でのめん企業の進出が予想を上回る勢いで急進し、業界構造の変革が急展開している。
4) 低価格志向
市場の伸び悩みとともに、低価格志向の影響に伴い製品単価の下落が進みつつあり、地域によっては値引き合戦による価格競争が生じ、今後さらに強まる傾向にある。一方、PB(プライベートブランド)の低価格製品が積極的に開発され今後も急伸する現状である。
このような現状のなかで、原油関連製品の価格が下げ傾向にあるとは云え、仕入れ商品の主原料及び副原材料等の価格の高止まりにある。また、販売促進に関する経費や品質・衛生に関する施設や環境政策に伴う設備の改善での経費の増加、等々、これらの価格上昇分をめん製品・サービス等への価格転嫁が容易でなく、企業が吸収できるものの限界を超えている。
 (2) 取組み
 今まで機能してきた仕組み、手法が現在の事業活動に必ずしも対応できなくなってきている点、組合員一人一人が組合(組織)のために何ができるのか、組合に対する意識の改革の必要性を認識すべきであると考えている。20世紀は組織が個を動かした時代、21世紀は個が組織をどう動かしていくか、と云われている。
業界、組合員の取り巻く環境が一段と厳しいことは認識しているが、悲観するばかりでは何も取り組めない。孔子曰く、“いずくんぞ満ちて覆らざるものあらんや”満ち足りた境遇に留まることは許されないのだと説いている。常に進化、変革の気概と精進を重ねてこそ、更なる成長が実現できると信じている。
管制塔もなく情報を共有することもなく、問題の本質から外れた議論に終始すれば最適な判断はできない。役員及び事務局が問題意識を共通認識した上で一致結束して、この厳しい環境のなかでより充実した事業、新しい環境のなかで、業界団体である組織が果たすべき役割も変化してきており、組織の存在意義、価値が問われているなかで、組織の対応、今後の方向性・方策を具体化させ提示し、再生、活性化を求めてそれに相応しい事業活動を着実に推進、挑戦していく(取り組んでいく)ことが必要であると考えている。
一方、個々の事業所では、生産から物流に至るまでのコストの削減の見直し、原価コストの見直し等を図ることが特に必要となっている。
中小企業の利点である「“創意”と“工夫”」をもって、“業界の責任ある団体”、“会員のメリット、会員加入しててよかった”を念頭に置き、会員のニーズにあった事業に如何に応えていくかが、組織運営の改善策に繋がると考えている。

6.おわりに
以上、生めん類の現状と基本方針に基づく諸事情での取組み等について、ご報告しました。食品業界では残念ながら不祥事などの事件が相次いでいるが、生めん類業界では会員事業所の日頃の努力により、大きな不祥事の事件や事案の問題が生じていない。今後とも、国民の主食の一端をになっている製めん業としては、安全性の確保及び関係法令の遵守に一層強化を図るとともに、おいしく、安全で“こだわり”の製品づくり、「価格より価値への移行」と、価値のある生めん類の提供者としての使命を果たすため、引き続き関係機関の協力を得ながら枠にとらわれることなく、慎重かつ積極的に諸課題に取り組んでいくこととしている。

(全国製麺協同組合連合会 事務局長)

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